「我が家は先祖代々○○宗です。」よくこんな言葉を耳にします。自分の家の菩提寺は何宗なのか。御本尊は何という佛様で、開祖は誰なのか。意外に知らない事も多いかもしれません。佛教は、本来いかに生きるべきかを教える宗教であるにも係わらず、生きている時は信仰に見向きもせず、亡くなった時だけ聞いた事もないお経でお葬式をして貰う。こんな人生も無いとは言えないと思います。家の宗旨というものは、今から約四百年前、徳川幕府が当時強大な経済力・軍事力を誇っていた佛教界を治める為に定められたものです。寺院法度という法律によって寺院を規制し、更に檀家制度を以って、誰もが、必ず何れかの寺の檀家となる事に定め、そこからはみ出した者を厳しい身分制度によって取り締まったのでした。これにより、寺院は、お葬式と現在の役場の住民課のような役割を担うようになり、寺と檀家の関係が出来ました。
しかし、お葬式だけという結びつきを改め、少しでも生きた宗教を人生に反映させる事こそが、本来の寺檀の在り方なのです。