仏教の言葉

信仰と信心の違い

「困った時の神頼み」と言われるように、私達は、満足した状態よりも、逆境に陥った時こそ、真剣に祈る事ができるようです。常に私達を見守って下さる御本佛様・御先祖様も、こちらの都合でばかりお願いしていたのでは、おそらく気持ちよく御守護下されないのではと疑ってみたくなる事もあります。

苦しい時、困った時、必死に逆境から逃れようとする祈りは、御本佛様・御先祖様と心を通じ合い、神秘奇跡の御利益を頂く為のもので、これが「信心」です。そして御利益を頂き、祈りによって自分が、大いなる愛に抱かれている事を知り、そのよろこびに目覚めたら、このよろこびを他の人々に知らしめ、勧め、弘めてゆく生活をする事が、「信仰」です。ただ祈ればよいというのではなく、自分自身の環境の中で周囲の人々の心を理解し、自分の能力や立場をよくわきまえて、何をすれば自分が社会の役に立てるのか、を考える生き方がお題目の道なのです。毎日の生活が、すべてお題目と結びついたものとなり、感謝の日々を過ごせるよう心掛けて参りましょう。