仏教の言葉

神と佛について(1)

日本では神と佛を併称しており、日常生活に於ても別に支障はないようです。しかし、神と仏は一体別なものか、それとも同じものなのでしょうか。

お寺(佛教)はほとけで、神社(神道)が神。死んだ人をほとけと呼び、その中でも特に偉い人の霊を神として崇めるというのが、一般的な考え方のようです。これは日本人独自の考え方であり、太陽や月・火・水等の自然の中に神を見る考え方や、天地創造の主としての宇宙的な神に対し、人間的個人的な神と言えましょう。佛教に於いては、鬼子母神や七面天女、不動明王や毘沙門天のように、沢山の神様がおられますが、これらの神々は、佛教を守護し、佛教を弘める人々を守る神様で、最初からこの世に存在するのでなく、天上界から常に私達を見守り、折りに応じて救いの御手を下される諸天善神です。

(つづく)