仏教の言葉

施餓鬼供養のこころ

「お施餓鬼」とは、餓鬼(飢えと渇きに苦しむ亡者)に施すことです。

当山では毎年8月21日に、檀信徒有縁の精霊供養のために、「お施餓鬼」を行っています。私達の身近な御先祖様の中でも、流死産等の霊や、幼年期や青年期に亡くなった霊の場合には、御供養がおろそかになっている事が多く、命日や年回忌を忘れられてしまっていることも少なくありません。御供養を欲しても、それを受けられずに寂しい思いをしている御先祖様のために、施餓鬼法要を行い、精霊の追善を祈ることは、御先祖様の生命を受け継ぐ者として当然の努めです。

又、少しでも多くの精霊に供養を施すことは、供養が受けられずに苦しんでいた御先祖様に満足して頂くことですから、その功徳は、めぐり来って、自分自身の幸福へとつながって行きます。先祖供養を忘れる者は、自らが、欲望の亡者となり、我欲に引きずられて餓鬼の苦しみを受けることになってしまいます。家族が皆で、御先祖に掌を合わせ、施餓鬼のこころを持つことでこそ、家内安全の御利益も、もたらされて来るのです。