【解説】
 下剋上の世の中、天皇さえも流されて都に帰ることの叶わなかった流刑の地佐渡において、日蓮大聖人様も壮絶な覚悟のもと、弟子や門下に御遺言として『開目抄』と『観心本尊鈔』を著されました。
 この『観心本尊鈔』は、古今未曾有の最も優れた御本尊である大曼荼羅御本尊(だいまんだらごほんぞん)と時を同じくして著され、お祖師様の宗教者としてのすべてが込められた大切な御書です。
 「地涌千界の菩薩」とは、末法の世に法華経を弘め、人々を救う活動を行う御本仏様のお使いです。お祖師様は、南無妙法蓮華経を唱えるすべての人は、地涌の菩薩であるとおっしゃられていますから、御題目に縁を結んだ私たちは、皆地涌の菩薩の出現であるということになります。
 「己心の釈尊」とは、私たちの心の深奥で直結する御本仏様のいのちであり、いつくしみ・すくい・みちびき等のはたらきです。
 私たちは、この世で御題目に縁を結び、信仰の仲間として生まれ合わせ、互いに主従・師弟・親子となりながら、自然に助け合い、導き合い、それぞれの使命・役割を果たして生きているのです。
(平成25年10月)

日蓮大聖人様のお言葉一覧へ