仏教の言葉

「香」について

「香」は、そのかぐわしい香りで物質世界と精神世界を清め、佛様の供養とするものです。塗香(身体に塗る香)と焼香(香木等を焚く香)があり、焼香が一般的に用いられています。香木を焚いて、煙の立ちのぼる様に佛の世界を観じるという意味で、古くから宗教儀式の中で行われて来ました。少しずつ燃えながら、どんな小さなすきまにも滲み入る芳香に、私達は佛様の大きな慈悲を感じることができるのです。

各家庭では、御先祖様の供養の為に線香を上げることが通例ですが、家族の者も気に入るような良い香りのものを選ぶことが肝要です。

又、立てる本数(焼香の回数)は、原則的には1本(1回)で良いのですが、仏・法・僧の三宝への供養、身・口・意の三業の信仰、戒・定・慧の三学の修業などの意味から3本(3回)行うこともあります。自分の家や寺でのお参りの時は3本(3回)、葬儀や法事に出掛けて行った時は1本(1回)というのが妥当な所でしょう。

大事なことは、あくまでも香によって佛様や御先祖様に供養を捧げるという気持ちであります。