日蓮大聖人様のお言葉
平成28年5月
- 『千日尼御前御返事』
- 弘安元(1278)年
- 聖寿 五十六歳
- 著作地 身延山
【解説】
千日尼は、日蓮大聖人様が佐渡へ流されていた間、夫の阿仏房とともにお題目の信仰に入信し、お祖師様の生活を支えた篤信の女性信者です。
「身を養う」とは、自分自身が経済や文化活動など、人が生きていく上で必要な能力を養うことです。
「魂を助ける」とは、自分が生きていくべき方向を見据えるよう心を働かせることです。
現代社会は、非常に豊かでありながら、将来に向かって、なぜか漠然とした不安を感じさせられます。それは、多くの人々が、自分の人生が何のためにあるのか、何をどのように努力したら良いかということに迷っているからです。
心と身体のバランスを調整し、人生に注ぐべきエネルギーを、本来相応しい方向に必要な分量注ぐことで、私たちの人生は、社会や環境に適応し、充実したものになるはずです。
千日尼は、夫阿仏房の身延参詣に託した手紙の中で、信仰上の悩みをお祖師様に相談されました。それに対し、女性の成仏を中心に、男女を問わず人のあるべき姿について、優しくお示し下さったお手紙の一節です。
(平成28年5月)