日蓮大聖人様のお言葉
平成29年9月
- 『事理供養御書』
- 建治二(1276)
- 聖寿 五十五歳
- 著作地 身延山
【解説】
あるご信者からの御供養に対しての御礼状の一節です。
私たちは、御本仏様の生命を親から受け継いだ肉体に宿して人生を生きています。そして、心の遥か奥深いところでは、御本仏様の大いなる慈悲と直接結びついています。夜空にきらめく月を見て美しいと感じ、庭先に咲く花を愛でて気持ちが和むのは、仏様の心が私たちの心の奥底からにじみ出して来ている時なのです。
ところが、現実社会の厳しさや日々の忙しさに紛れ、私たちは、自然の美しさを見過ごし、優しさや清らかさ、人に対する思いやりを忘れがちになっています。
私たちが体験する世界は、心の有様に大きく影響されるので、自分の都合や欲望に執着していると、殺伐としたストレスの多い人生になってしまいます。
南無妙法蓮華経と唱えて心の奥底の御本仏様に呼び掛け、優しさや美しさや清らかさに満ちた仏様の心を磨き出し、充実した人生を生きられるよう、信仰に精進しなさいと、お祖師様はお示し下さっています。
(平成29年9月)