日蓮大聖人様のお言葉
平成31年2月
- 『重須殿女房御返事』
- 弘安四(1281)年
- 聖寿 六十歳
- 著作地 身延山
【解説】
駿河の国重須郷(現在の静岡県富士宮市北山)に居を構えていた石川新兵衛宗忠は、非常に信仰深い信徒であり、後に出家して日蓮大聖人様から道念日実というお名前をいただきました。このお手紙は、日実上人の妻に宛てたもので、お正月の餅や菓子の供養に対する礼状の一節です。
お祖師様は、地獄も仏も自分自身の心の内にあるのだとお示しです。
人生の本当の意味を知らず、目先の欲望に惑わされて悩み苦しみ、果ては自分の不幸を他人のせいにするような迷える心を地獄≠ニ云います。
一方、御本仏様の大いなる慈悲のもとで生かされている自分に気付き、自らを謙虚に省みて、周囲の人のために何を為すべきかを求める心を仏≠ニ云うのです。
そして、御題目の信仰で仏の心を磨くことで、人は真の幸福(生きた成仏)に導かれるのです。
(平成31年2月)