日蓮大聖人様のお言葉
令和元年11月
- 『大田殿女房御返事』
- 弘安三年(1280)年
- 聖寿 五十九歳
- 著作地 身延山
【解説】
大田乗明(おおたじょうみょう)は中山の富木常忍(ときじょうにん)・曽谷教信(そやきょうしん)と並んで日蓮大聖人様のご生涯を支えた大檀越です。大田氏は夫婦ともに御教えと信仰に精通しており、お祖師様から厚い信頼を得ていました。
この御文は、大田氏の妻がお祖師様に御供養米を送ったことへのお礼状の一節です。
「毒」とは、迷い・妬(ねた)み・嫉(そね)み・羨(うらや)み等々心を苦しめる心の迷いのことで、人生の苦しみの殆どはそこから生まれます。
しかし、苦しみの中には、実は成長の鍵が秘められています。迷いの中にこそ悟りの種があるのです。
毒を恐れることなく、苦しみから逃げることなく、すべては悟りへのお導きと信じて、人生の良薬である御題目を唱えなさいと、お祖師様はお示し下さっているのです。
(令和元年11月)