仏教の言葉

無明と法性 ~心の表と裏

無明とは、自らの心の有様をちゃんと判っていないことであり、法性とは、自らの心をしっかり把握していることです。どちらも心の働きを指しています。

私達は、他人の失敗や性格の欠点などについては、とても厳しく批判を加えます。又、人間関係のトラブルに於いても、相手の改善を望むだけで、自分を相手の望むように変えようという人は、殆どいないでしょう。自分の正当性にしがみつき、他の人々を操作して、自分の思い通りにしてしまおうと、ストレスを溜めては苦しんでいるのが、現代の私達の心の有様です。これは、本来の自分の価値に気付かず、親や周囲の環境や世間の価値基準に流されてしまっている所に原因があるのです。このような自分を見失った無明の状態から、自分自身の人生の価値に目ざめ、本来の自分らしさに気付く法性の状態に変わって行かなければなりません。お題目の信仰は、まさに心の修行であり、新しい本当の自分を再発見するための唯一の方法です。心が明らかにならなければ、日々の生活も迷い苦しむばかりです。お題目で、本当の自分を呼びさましてみましょう。