仏教の言葉
自由とは
日本は、民主主義であり、自由の国ですが、表現の自由・言論の自由・信教の自由等々、何をやっても自分の勝手と誤解している人が多いのには困ったものです。自由ということばは、福沢諭吉が最初に使ったのだそうです。彼が学問の分野で近代国家を作り上げようとした時に、欧米の思想を表すことばとして日本語にしたのです。古い中国の書物にも自由は登場しますが、福沢諭吉は、仏教経典の中の煩悩の束縛から解き離れた解脱の境地を意味することばとしての自由を、古い身分や差別から解放され、人が人として、その人生を充実させる個人のちからに名付けたのでした。仏教語としての自由は、独立自存であることと訳されます。このように、日本のことばには、本来仏教用語であるものが大変多いのです。