日蓮大聖人様のお言葉

平成24年9月

法華経ほけきょう
正像しょうぞうよりも
末法まっぽう
こと
利生りしょうあるべし

薬王品得意鈔やくおうぼんとくいしょう
  • 文永二(1265)年
  • 聖寿 四十四歳

【解説】

日蓮大聖人様が、法華経(妙法蓮華経)の薬王菩薩本事品第二十三というお経について説明されたお手紙の一節です。

仏教の膨大な経典の中でも、法華経はもっとも広く人々を救い導く優れた教えであります。

そしてこの法華経は、教主お釈迦様が存命で教えがしっかり守られていた正法(しょうぼう)時代や、お釈迦さまが亡くなられた後も教えの枠組みがしっかりしていた像法(ぞうぼう)時代よりも、お釈迦様の教えが忘れ去られ、人々の心が荒んでしまった末法(まっぽう)時代にこそ、その効果を発揮する教えなのです。

末法とはまさに今の時代です。人々は優しさ・思いやり・慈しみを失い、個人の考え方を曲げず、利益や権利ばかりを振りかざし、社会全体の秩序をないがしろにする風潮がはびこっています。

法華経と南無妙法蓮華経の信仰は、今この時代に、私たちが優しく穏やかな人間らしさを取り戻し、平和で安穏な社会を実現するためにあるのです。

(平成24年9月)