日蓮大聖人様のお言葉
平成25年2月
- 兄弟鈔
- 建治二(1276)年
- 聖寿 五十五歳
- 著作地 身延山
【解説】
武蔵の国池上の郷の檀越池上兄弟に宛てられたお手紙です。
ここでいう「賢」とは、世の中でかしこく立ち回り、波風を起こさず順調に人生を送ることです。
一生そうした努力を重ねて賢明に生きて来ても、晩年になってつい発した一言が仇となり、身を滅ぼしてしまうことがあります。
日蓮大聖人様は、いつも法華経とお題目の信仰を身に帯していれば、御本仏様の御守護と御導きによって、その人の言動は御本仏様の御心に叶う尊い言動になるのだとお示しです。
信仰に生きる人は、仏様の子=仏子なのですから、その話す言葉は御本仏様の心を代弁し、人々を優しく温かく導き、明日への希望を抱かせる言葉であるはずです。
人々との係わり合いは、人生の最も大切な要素でありますが、私たちはどれほど人との係わりを大切にしているでしょうか。また、優しく思いやりをもって話し掛けることが出来ているでしょうか。
我が身を滅ぼすことなく他の人々を生かし、縁ある人とともに幸せな人生を実現していきたいものです。
(平成25年2月)