日蓮大聖人様のお言葉
平成28年1月
- 『崇峻天皇御書』
- 建治三(1277)年
- 聖寿 五十六歳
- 著作地 身延山
【解説】
最も熱心な檀越の一人である四条頼基からの贈り物に対するお礼状の一節です。
頼基は、強情な信仰家でしたが、その真直ぐな性格のせいで人から誤解を受けたり主君に疎まれて謹慎させられることもありました。
このお手紙は、謹慎が解け、薬事の心得のある頼基が主君の病気治療を任されるなど、以前より信頼され厚遇されるようになったことを喜ばれるとともに、それを自慢したり油断したりしないよう戒められたものです。
他人を思いやり誠実に接することは、他人を幸せにするだけでなく、自分の心に財を積むことにもなります。心の財こそ、お金や名誉に変えることの出来ない生きる力であり尊い幸せの種なのです。
(平成28年1月)