日蓮大聖人様のお言葉

平成28年2月

すこしたゆ

こころあらばたより便をうべし

聖人御難事しょうにんごなんじ
  • 弘安二(1279)年
  • 聖寿 五十八歳
  • 著作地 身延山

【解説】

この年「熱原法難」という弾圧があり、多くの信徒が迫害され生命を奪われるという事件が起こりました。

その報に接し、日蓮大聖人様は、自ら病の床に在りながらもたくさんのお手紙を書かれ、門下一同を激励されました。このお手紙はその中の一節です。

困難に出遭った時、私たちの心には、くじけそうになる思いと立ち向かっていこうとする思いが同時に生じて来ます。

普段の心掛けによって、逃げよう楽をしようという心には隙間が生じ、魔が入り込んで来ます。自分に正直に正しく清らかに生きようという心には、魔がさす隙間がありません。

日頃からお題目の信仰に親しんでいれば、心にしっかりとした柱が立ち、その人の人生を支えてくれます。

人生には困難が付き物です。生老病死を中心とする様々な苦しみから逃れる術はありません。大きな川の流れのごとくたゆまず繕わず、いつも当たり前にお題目を唱え続けることが大切なのです。

(平成28年2月)