日蓮大聖人様のお言葉
平成28年6月
- 『開目抄』
- 文永九(1272)年
- 聖寿 五十一歳
- 著作地 佐渡 塚原
【解説】
『開目抄』は、日蓮大聖人様が佐渡へ御流罪中、弟子・檀徒の人々への遺言として書かれた著述の一つです。
幕府からの激しい弾圧を受ける中、信仰に揺るぎが生じて来た人々へ、人生の意味・御題目に出会えたことの尊さを説き示された重要な御遺文です。
さて、現代社会は、これまでにない豊富な情報社会になりましたが、情報量が豊富であればあるほど、それを上手に理解し活用するための智慧が必要になるものです。
目先の出来事や興味ある知識だけにこだわっていては、まさに「井の中の蛙」であり、自分に相応しい人生を実現することは難しくなるばかりです。嫌なことや知らないことにも誠実に向き合っていかなければなりません。
御題目の信仰は、そんな私たちが御本仏様の智慧(仏智)をいただいて、人生を有意義に生きるためのものです。
尊い神秘の御利益をたくさんいただき、小さなこの身は大海を知らぬ蛙であろうとも、頭上の空の深さを知り、自ら行うべきことを行える蛙でありたいものです。
(平成28年6月)