日蓮大聖人様のお言葉

平成28年9月

伯耆殿並諸人御書ほうきどのならびにしょにんごしょ
  • 弘安二(1279)年
  • 聖寿 五十八歳
  • 著作地 身延山

【解説】

現在の静岡県富士市厚原(当時は熱原)において、日蓮宗の信徒二十人が、鎌倉幕府の弾圧により捕えられ、その内の三人が尊い生命を失うという事件が起こりました。

このお手紙は、この法難に関係する弟子や信徒に宛てられたものです。幕府の弾圧に屈することなく正しい信仰を貫いた者を称えるとともに、より一層お題目の信仰に精進しながら事態に冷静に対応するよう諭されています。

天の御はからい≠ニは、御本仏様の御心による諸天善神のお導きのことです。信仰に精進していながらも苦難に見舞われてしまうのは、まさに御本仏様の慈悲の現れなのだというお示しです。

私たちは困難や不幸に出遭う時こそ信仰心を呼び起こされて神仏に縋ります。苦しみや困難は、時に自分を大きく正しくあるべき姿に軌道修正してくれる強いお導きでもあるのです。

辛い時こそ、自分には御本仏様の御加護とお題目の信仰があるのだということを思い出すことが、とても大事なことなのです。

(平成28年9月)