日蓮大聖人様のお言葉
平成29年4月
- 『身延山御書』
- 弘安五(1282)年
- 聖寿 六十一歳
- 著作地 身延山
【解説】
日蓮大聖人様が、亡くなる年に書かれたお手紙です。
九年間心安く信行に勤しまれた身延山の風光に寄せて、これまでのご自身の人生を感慨深く語られ、かつ多くの仏教説話を引用されて信仰の不思議な世界を説かれています。
生きて「仏になる」とは、人生に満足することです。それには健康で人間関係に恵まれ、相応の経済力があることが第一です。
そして自らの仕事や立場において誠実に精進し、我欲(がよく)にしばられずに世の中の人々の幸せに貢献することが、その「道」であるといえましょう。
そのためには、自分本位に偏りがちな心を修正してくれる「師」との出会いが不可欠です。それは人に限らず本や映画であったり、反面教師の場合もあります。「師」とは、総じて悟りに導いてくれる存在です。
そして、自分に相応しい善き「師」との出会いに気付く心を育ててくれるのが、御題目の信仰に他なりません。
(平成29年4月)