日蓮大聖人様のお言葉

平成29年6月

観心本尊鈔かんじんほんぞんしょう
  • 文永十(1273)年
  • 聖寿 五十二歳
  • 著作地 佐渡一の谷

【解説】

時の天皇さえ生きて帰ることの叶わなかった佐渡へ御流罪となり、門下への遺言として最も大切な法門を述べられた書物(正式には『如来滅後五五百歳始観心本尊鈔』)の一節です。

石の中には火はありませんが、打てば火が出ます。木の中にも花も葉もありませんが、時が来れば芽が出て蕾がふくらみ、やがて花が咲き実も成ります。

同じように目には見えなくても、人の心の中には仏様の心があります。その仏様の心は個々に別々の心ではなく、すべての人の心の奥深いところで永遠不滅の御本仏様の大慈大悲の心に直結しているのです。

御本仏様の心と通じ合っていることを信じて御題目を信仰し、それぞれの生き方(言動)の中に仏様のおこないを磨き出していくことが、生きながらの成仏ということであり、真の幸福を実現することなのだとお祖師様はお示しです。

(平成29年6月)