日蓮大聖人様のお言葉

平成30年10月

諌暁八幡抄かんぎょうはちまんしょう
  • 弘安三(1280)年
  • 聖寿 五十九歳
  • 著作地 身延山

【解説】

この年、鎌倉の鶴岡八幡宮が火事で炎上する事件がありました。主神の八幡大菩薩は法華経を守護する神様でしたが、氏子の北条氏が法華経の行者を迫害したために、自ら社殿を焼いて天上へ戻ってしまったのでした。

お祖師様はそのことを指摘され、また八幡大菩薩に対し、改めて法華経の行者を守護すべきことを諌められたことを述べた御文書の一節です。

日蓮大聖人様が、人々に法華経とお題目の信仰を弘め続けた御生涯は、少しでも多くの人に人生の真の幸せを手に入れて欲しいと願われたからに他なりません。

その心はまさに、母親が我が子を愛し、早く大きく健康に育って欲しいと赤ん坊の口に乳を含ませんとする慈悲の心そのものであるとお示しです。

御本佛お釈迦様は、私たちすべての生命にとって主・師・親の三徳をもって永遠にお守り下さる尊い存在ですが、日蓮大聖人様は、日本国の全ての人々の主・師・親であろうと生命をかけて御題目を弘通して下さったのです。

間違っても日本国が炎上してしまわぬよう、私たち一人一人がお祖師様を正しく敬い、お祖師様の御心に叶った御題目の信仰を行うことが肝要です。

(平成30年10月)