日蓮大聖人様のお言葉
平成31年4月
- 『種々御振舞御書』
- 建治元(1275)年
- 聖寿 五十四歳
- 著作地 身延山
【解説】
お祖師様の御生涯を述べられた御遺文で、元々は四つのお手紙だったものを先師が一つにまとめたと伝えられています。
方人=味方よりも自分を迫害する強敵こそが、信仰を育て人生を豊かにしてくれる恩人であるとお示しです。
私たちが生きるこの世界を、お釈迦様は娑婆(忍土)と称されました。苦しみが充満し、それに耐え忍ぶ世界と云う意味です。
長い歴史を経て、私たちは苦しみや悩みのない世界を希求し続けて来ました。今やAIなどの発達により、何事も人の手をかけずに便利で楽に行なえるようになりました。
しかし、便利で苦労の少ない世の中は、必ずしも人の心を育て人生を実り多きものにして来たとは言い切れないように思います。
どんなに便利になろうとも、人生に苦労や悩みは無くならず逆境は必ず付いて回ります。それを受け容れ乗り越える所にこそ人生の本来の目的があるからです。
法華経の教えと南無妙法蓮華経の信仰だけが、御本仏様の指針であり神秘の杖となって、真の人生の目的へと導いてくれるのです。
(平成31年4月)