日蓮大聖人様のお言葉

令和3年12月

四条金吾殿女房御返事しじょうきんごどのにょうぼうごへんじ
  • 文永十二年(1275)
  • 聖寿 五十四歳
  • 著作地 身延山

【解説】

四条金吾氏の妻日眼女は、この年三十三歳の女の大厄に当たり、身延のお祖師様へご供養を送り厄除けを祈願していただきました。この御文は、お祖師様が日眼女に与えられた返礼状の一節です。

人はその生涯において、人生の節目節目となる大小の苦難があるからこそ、成長出来るのです。お祖師様も男の大厄である四十二歳前後に伊豆と小松原の法難に遭われ、五十歳の折には龍ノ口法難から佐渡へ流罪という大難に遭われました。そして、それらの法難を法華経・御題目の信仰の正しさと自らの人生の使命を強く確信する天祐として受け取られました。

厄は役立つの役、飛躍の躍にも通じます。日蓮大聖人様の厄除けは、法華経と御題目の祈りによって御本佛様・諸天善神様の御加護をいただき、災い転じて福となすありがたい御利益をいただく祈りです。

人生折々の災難を糧とし、教訓として、真の幸福を見い出して生きなさいという尊いお示しです。

(令和3年12月)