日蓮大聖人様のお言葉

平成24年5月

仏法ぶっぽう
ならには
かなら四恩しおん
ほうずべきにそうろう

四恩鈔
  • 弘長二(1262)年
  • 聖寿 四十一歳
  • 著作地 伊豆伊東

【解説】

人が生きていくということは、同時に多くの人々と係わり、それぞれに恩を受けるということにもなります。

受けた恩を知り恩に報いることは、人の世で幸せに生きるために忘れてならない修行の一つです。

人に思いやりをもって接するのも報恩、ご先祖様や父母の精霊に追善の誠を捧げるのも大切な報恩です。

「四恩」とは、@父母の恩A一切衆生の恩B国の恩C三宝の恩のことです。

@父母の恩は、自分を生み育ててくれたことに感謝することです。人は親から受け継いだ肉体とその能力を持って親と同じように見・聴き・感じて生きていきます。その力を社会においてしっかりと発揮して人々に貢献していくことが、他ならぬ父母への報恩になるのです。

A一切衆生の恩とは、素裸の自分一人だけでは一日たりとも生きていけないことを知り、実に多くの人に手によって自分の人生が支えられていることに感謝することです。いくらお金があってもお金は食べられず身にまとうことも出来ません。

B国の恩は、日本国が健全に存在してこそ自分自身の人生が守られていることに感謝することです。日本人自身がもっと国を愛し、国土を大切にする心を養うべきであります。

C三宝の恩は、常に私たち迷妄の衆生を優しく見守って下さる御本仏様・その大切な尊い御教え妙法蓮華経・現実社会において仏法を示しお導き下さる日蓮大聖人様への感謝の気持ちを忘れないことです。眼に見えない世界からの神秘不可思議な力によって、この世のすべてが支えられ導かれています。敬虔な気持ちを持って信仰に心を開き、三宝に身心を委ねる生き方が、今最も必要とされていると感じます。

(平成24年5月)